その子にとっての最初の
ぽえむ君
その子にとっての最初の事実は
人の死だった
自分が誰かに抱えられたまま
その体がだんだん冷たくなってゆく中で
生温かいものが頭から流れてきた
それが血であることは後で知った
そしてその人が自分の母親であることも
後で知った
その子にとって最初に手で掴んだものは
冷たい鉄の棒で
それが銃であることを後で知った
そしてそれが母親を撃ったものであることも
後で知った
その子にとって最初の愛情は
まだおとずれていない
自由詩
その子にとっての最初の
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ぽえむ君
2007-04-18 22:30:27
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