耳の産声
望月 ゆき
ぼくがまだ見つけない 明日の
呼吸の波は、かぎりなく無音で
おしよせては、
皮膚のあいだに刻まれた旋律を
からめとりながら
引いていく
奥深い場所で対流する
なまぬるい記憶、あるいは昨日までの
らせん状、だったのは
貝殻 それとも
仰向けで流れていく時間に
耳を澄ますと 明日の
出口が聴こえる
もう、朝が傾いている
もう、泣いたっていいんだろう
自由詩
耳の産声
Copyright
望月 ゆき
2007-04-18 21:16:02
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