水槽
焼石二水




朝から支えを刻々と縮め
影の長さが水際を割る、。南中に際し
まず柔らかな鳩尾を
下にして((私達は))後頭の
窓に
手をついており
嵌め殺しの空も高いと思う、。恐ろしく
液晶に
水が溢れている((複雑に満たされて
瞼が浮腫む

目覚めると
昼だった

井戸の必要を話す
三原色で再現された、ドキュメンタリーの
メンタリー」の音が湿り気を帯び
もうすぐ雨が降りそうで
それは黄砂を含んだ酸性の雨だ
洗濯物を濡らし
歴史的な建造物の目鼻を削ぐと言う
ニュースから痩せた銅像が溶かし出される
きっと有名な人物の))

「三原色では、どうも再現の難しい」
「どちらが正面だったのか、どうも判然としない」


息苦しい昼だ

真っ直ぐな天気雨に影はなく
手足の削がれた羊皮の袋が、たぷりたぷりと
歩いている((喉が渇いても))あれは
水槽である((私達は))
密閉された((水槽である、。嵌め殺されて
行く者の空も高いのだと思った
、。恐ろしく
七割の
水が偏っている、。惑星の
下半分で
瞼が浮腫み
涙にはならない








未詩・独白 水槽 Copyright 焼石二水 2007-04-18 13:52:29
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