微熱
夕凪ここあ

夜が
更けていくと
ほつほつと
灯る
微熱の痛み

37.2度の
隙間から
零れる昨日
裏返る
あした
だから
つまり
なにもないのさ

首筋に
うっすらと汗
瞼の裏の
めまい

あなたが
どこにいても
探すわ
なんて約束
ありきたりすぎて
くだらなくて
こわかった

うちゅうの
裏側で
待ってるよ
なんて
どうりで
物音ひとつ
聴こえない
はず
さようならの
代わり
だったのね

真夜中の
テレビから
すなあらし
何かの信号
あなたからの
手紙だったら
どんなにかいい

ことんと
何かがずれる音
もしくは
落ちつく音に
目を覚ませば
今晩は
星ひとつない夜
微熱の
ため息

さようならを
呟く度に
見えない場所から
風が吹いて
頬を
撫でて
やがて
止む

微風があなた。


自由詩 微熱 Copyright 夕凪ここあ 2007-04-18 00:37:10
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