またね
山中 烏流
素敵だなと
思う言葉は、全て
ばいばいをして
脳に帰っていく
消えたくはないから
決して
さようならは 告げずに
またね、とだけ告げて
帰る 帰る
伝える事だけを望むなら
もっと もっと真っ直ぐで
良いのだけど
それだけじゃ
物足りないから
わざと難解にして
誰かにだけ向けて発して
気付かれなかったら
帰還を、繰り返す
喉の奥で息づいている
言葉という生命は
いつか壁を越えて
空にさえ
届く筈、だから
多分
伝えたい言葉は
きっと ずっと前に
もう伝え終わっている
だから
帰ってくるの
待ってて
またね、って
告げてたから 待ってて
今度は君だけに
告げに行くから、ほら
また、ね。