居留守する朝
mac

急な休みで私は寝巻きでぼーーーっとしてるんで

せっかく来てくれた
宅配便にも出ることは出来ません

平日の昼間はカーテンも半開きで
外はなんだかいい天気らしく

時折

鳥の声やら
子供のはしゃぐ声が聞こえます

ピンポーーン

女性二人がインターホンのカメラに映っています

ところが私は寝巻き姿なので
やっぱり出ることは出来ません

カメラの向こうの彼女らを見送ると

ホッとして
インスタントのコーヒーを入れます

インスタントのコーヒーも「淹れる」って言うのかな
インスタントだから「入れる」でいいのかな

なんて思っていると

ピンポンピンポン

タタミヤデス

ドアの向こうで元気な声がします

畳屋さんですか

確かにうちの畳はかなり古いので
新しい畳は魅力的ですが

私は寝巻き姿でしかもコーヒーは
アツアツが好きなので出られません

しばらくすると
ドアポケットに何か投函された音

畳屋のチラシと
宗教のパンフ

畳屋が宗教のパンフを
入れていくとは思えませんので
先ほどの女性達でしょうか

いつもは仕事で出かけている間に
私の家はたくさん来客があるのだなあ

ドアの隙間に
宅配便の不在通知が挟まっているので
ドアを少し開けたら
不在通知はスルリと玄関に侵入した

少しだけ開いたドアの隙間から
外の匂いがした



きっと黄砂まじりの春風が
桜を揺らしている

気持ちのいい昼寝が出来そうな
いい天気だ

せっかく寝巻きだから
もう少し寝よう

起きたら
宅配の再配達を頼もう

そしてちゃんと服を着替えよう




自由詩 居留守する朝 Copyright mac 2007-04-17 00:56:45
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