うずく きず
かえで

どんどん痛くなっていくよ
おなかよりも上で胸よりちょっと下のところ
あなたが傷付いているのは分かっているんだけれど
あなたを見守っている私もなんだか痛くなってきたよ
気のせいだと思っていたけれど
やっぱり私も体のどこかがちょっと痛い
どうしてかな
私が実はあなたを傷付けたから?
それとも4年の歳月で気持ちが伝わるようになったから?

今ではたまにくるメールでお互い生きていることを確かめている
寂しさよりも
私たちが生きていることよりも
この機械1個がなくなったら
きっと私たちは終わりなのだろうね

私ね 最近また泣き虫になってきちゃった
よく食べるようにもなったし
このままおばさんになるのかな
そんなのたまんないよ
どうしよう

あなたに伝わるはずなんてないのだけれどね
ちょっと部屋のすみで呟いてみるんだ

あなたの傷は癒えましたか?
「あなたを愛しています」って言いたいけれど
最終的にはもう言えないんだと思う

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また会う日があるのなら雨の日がいいな
部屋の中にとじこもって
じっと ただ
抱きしめあおう


散文(批評随筆小説等) うずく きず Copyright かえで 2004-04-30 00:37:23
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