初対面
小川 葉
はじめて会った
気がしないのは
なぜだろう
やさしいまなざし
知っているのは
なぜだろう
話しながら左手を右手で
撫でる癖を知っているのは
なぜだろう
その手のぬくもりに
懐かしさをおぼえるのは
なぜだろう
部屋に飾ってある
花の名前を言えるのは
なぜだろう
寝顔をこっそり
スケッチした記憶
なぜだろう
さよならはいつも
消えるように突然
なぜだろう
なぜだろう
なぜだろうと
思い出せないまま
眠りにつく
今夜もまた夢の中で
会えるとも知らずに
自由詩
初対面
Copyright
小川 葉
2007-04-15 22:20:54