奇妙な動物
ぽえむ君

この動物だけは奇妙だ

自分がエサを探しに草原を走っていると
逆にこの動物に捕まってしまった
さすがにその時は命の終わりを
すっかり覚悟した
だがこの動物はなかなか自分を
食べようとはしない
巣に持ち帰ろうとでもしたのだろう
それにしても長い距離だった
チーターのように地面を速く走ったり
鷲よりもずっと大きな翼で
大空を飛んだりしながら
巣に運ばれてきた
そこは随分と大きな巣で
ちょっとした草原だった
故郷を偲ばせてくれる
その動物の子どもたちだろうか
見たこともないくらいの数で
押し寄せてくる
こんな大勢で食べられてしまっては
自分の原形などどこにもない
哀れな最後なのかと悲しくなった
けれども子どもたちは自分を見るだけで
決して自分を食べる気配を感じさせない
むしろ愛を感じる
同類とでも勘違いをしているのか
体のつくりが全く違うではないか
そんなことも識別できない動物は
見たことはない
全くもって理解できない
一体何を食べて生きているのだろうか

実に呑気な動物である


自由詩 奇妙な動物 Copyright ぽえむ君 2007-04-15 18:12:55
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