埋葬
美月朱恋

刺激の強い匂いが
僕の鼻をつく
その匂いは
(あの時僕が)

生まれた時の姿で
僕の心をつく
その痛みは
(君に与えた、あの)

掘り返した
匂いと痛みは
僕をしっかり掴み
すっかり包み
僕を
(あの時と同じように)

振り返って見た
過去と記憶を
しっかりと
ゆっくりと
僕に流れている
(確かに僕が)

もう一度
埋める
(気付かれないように)
もう一度
染める
(汚れた手はまるで)


確かに僕が


自由詩 埋葬 Copyright 美月朱恋 2007-04-14 09:29:23
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