誕生日
なかがわひろか

こうやって一つずつ年が離れていくんやね
来年になったら
また一つ年が離れて
うちが十年たっておばさんに近くなっても
あんたはあの頃のままのあんたで
うちらの年だけがどんどん離れていくんやね

うちがお母さんになって
何人か子ども産んで
たるんでしまったお腹抱えて
それで気づいたら孫も生まれて
二度と昔に戻れない体で
年だけを食って
それで朝起きたらのんびり死んでて
そしたらあんたと再会するんやな

なんか恥ずかしいな
あんたとうちやったらほんま
おばあちゃんと孫やで
心の中ではずっとあの頃のままなんやけどな

そんとききたらゆっくり話そな
これから先あんたのおらへん数十年に起こること
面白おかしく話たるわ
おばあちゃんの戯言になるかもしれんけど
まあ久々なんやから
ゆっくり話そうや

まだまだ先の話やけど

まあ年を取らへんあんたやし
もう関係ないかもしれんけど
それでもこっちでは
あんたの誕生日、迎えてるで

誕生日、おめでとうな

毎年言うたんねん

おめでとうってな

(「誕生日」)


自由詩 誕生日 Copyright なかがわひろか 2007-04-14 01:05:37
notebook Home