失敗の日
んなこたーない
午前4時のハレンチな姿態。
ハネムーンベイビー、重力のままに落下する。
あなたが唾を吐く、Strangerの横顔と、
ぼくが石を投げつける、Pavementの悪い予感。
広大なひろがりの空虚のなかで、ぼくらは深海魚を真似ている。
もしもあなたがテロリストのブラックコーヒーだとしたら、
もしもぼくが目隠しされたサディストの歯軋りだとしたら……
冷たい夏の灰色の夜明け。
伝説がスローモーションで幕を開ける。
ぼくのいない舞台の上で、
あなたのスカートの裾からチョコレイト色の素足が覗く。
あなたのいない舞台の上で、
ぼくは「アンリ・ブリュラールの生涯」を半日の間に読破する。
HereでもThereでもEverywhereでもない、
欠乏と違和感の午前4時。
腐った花びらが舞い落ちる不眠のベッドのシーツの波には、
シャンデリアが粉々に砕けている。
ぼくらは浮上を試みる。
涙ぐましい陽光を透かして、ついえたはずの期待に胸を膨らませて。
そのためだけにそこにあるものと、
そのためにそこだけにあるものを、
ぼくもあなたも、あまりに多く見落としてきた。
ぼくらはそれを知っている。
そして、もしもぼくらが偉人になれるとしたら、それ以外に理由はないことも。