呪われた詩人
ゆいしずと
時に詩が
詞(うた)であろうとすることを
私は止められないのだ
踊るように湧き出す言葉が
意味を超え
リズムとなり
自らの存在を消してまで
詞になろうとすることを
明るい声を響かせるように
誰かの思いの丈を歌う
その詩人の声に
涙を流したのは誰だ
君に何かを伝えようと
僕らは必死に語るのだが
言葉はいつも理解よりも
より多くの誤解を招く
そして言葉は暗転するのだ
重い緞帳を下げることも無く
いくつかのありきたりの挫折と
躁鬱質な気分だけで
その姿を呪いの内に消して
決して見えることの無いものを詠う
その詩人の姿を
美しいとささやいたのは誰だ
ありきたりの美意識は
その構図を勝ち誇り
それを打ち崩す試みも
生産的というよりは退廃的で
時に詩が
死であろうとすることを
私は止められないのだ
黒い影のように迫りくる言葉が
意思を超え
怨念となり
人の心を冷やしてまで
死になろうとすることを