Reason
たにがわR
理由など欲しいとはおもわない
おちてゆく桜の色が、なにいろであってもいいように
いつかきえていく、わたしたちに理由はいらない
別段、理由でもない
あなたへ向けた顔と、あなたとは違う人へと向ける顔が違っても
別段、多面体であるという事もない
わたしもかたまりなのだから、向きをかえれば違うようにみえるのです
球面なんて、いつもたいくつなかたち
まして、八方美人などは
理由などいらない
どこかとぼけたピントで印画紙にうつされる風景に
ひとつの美しさがあるように
くっきりとみえることが、美しい、ではない
悲しくも、嬉しくも記憶は、ぼやけていくうちに
段々と美しい、になる
理由は忘れてしまった
きえていくわたしたち
きえていく花たち
春を探すうちに
いつの間にかわたしを探している
きづかないうちに、肌と心が触れ合い
そして、摩擦で低音火傷している
初めから理由はなかった
わたしの存在はわたしだけが肯定していればいいのです
骨は、海に捨ててください
はらはらと舞い散るように
できれば
桜を添えて