チエンソー
あおば
2007/04/11
250ccのエンジンで
樅の木を撲った切る
嘘つくな
おまえの細腕で
適う物か
臍が茶を沸かすから
冗談も休み休みに言ってくれ
50ccの
チェンソーを担ぎ
山の中を彷徨ううちに
古株に躓いて
転んでしまった
古株からは若枝が横に伸びて
春めいて見える
転んでしまったので
土の匂いを嗅ぎながら
屈伸運動をさせられて
漸く起きあがって
背伸びをしたら
いつの間にか午後になっている
もうじき夕立があるかも知れないと
慌てて下山することにした
新芽を担いで逃げるように
走って
バイクの50ccのエンジンを唸らせて
林道脇で転んで
チェンソーを山の中に置き忘れてきたのに気付く。