アスパラガス
夕凪ここあ

夜中
水道から
ぱたぱたとなみだ
海になんか辿りつかないのに
机の上で
しまい忘れたサラダが
哀しい彩りで居場所をなくしてる
きれいに一人分だけ残して
あたたかみをなくしたイスが
部屋でこわばってもうすぐ
君の形を忘れるところ
寝つけないまま
星の見えない空に
見えない星を眺めるふりをして
どこにもない星座群を
追いかけるまねをしてると
二番目の交差点で
なみだで目が覚める
夢を見た
うすいあおむらさきの夜明けに
めまいと
くたびれた野菜の居心地の悪さと
鮮やかなアスパラガスの哀しみ
を残して

あと
思わず君の手のひらを探す寂しい癖





自由詩 アスパラガス Copyright 夕凪ここあ 2007-04-11 22:30:41
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