サンダーバード5号に住みたい
虹村 凌

煙草で焦がした風穴を塞がないまま
ベランダで5分前の太陽の光を浴びている
昨日のメッキはもう半分以上剥れていて
ロウキーライティングで誤魔化すので精一杯

二足歩行のまま夜空を眺めながら
物語をねだられたから
「幾千億年前の光が人の世の定めを告げるのさ」
と口付けながら言う

占い師は宝くじを買わない

影が出来る
上から覗き込まれた
動揺したスキにキスをされる
5分前に割れた太陽が今飛び散って
迷う事なく舌を巻き込んだ

ハイキーライティングなその目で
残ったメッキを剥がしてしまってくれよ
このロウキーライティングな目で
そのメッキも剥がしてしまうから

割れた太陽の破片を拾い集めて
何処かに隠して仕舞っておこう
世界の終わりが終わるまで
窓の無いラヴホテルでじっと隠れていよう

ヒッチコックが作ったブラインドが揺れる頃に
メッキが剥れたままの姿で
そっと太陽を取り出す 冷蔵庫から

五分後に心を弾ませてもう一度キスをする


散文(批評随筆小説等) サンダーバード5号に住みたい Copyright 虹村 凌 2007-04-11 13:57:36
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