たとえばそれが幻でも
アマル・シャタカ
恋するたびに砕けた欠片を
涙でそっと集めて抱いて
鋭利な言葉で裂かれる思い
すべてこの手で集めきるには
わたしの心はあまりにも拙い
誰かの世界に埋め込まれたあなたの愛は
今日もわたしを彷徨わせる
いつの日かたどり着いてみせるからと
星に流したあの日の決意は
夜明けとともに霞んで消える
咳き込み吐き出したものは汚泥
信じきることができなかったあの頃の瑕
世界の果てはわたしの世界の中心で
暴流の中を叫びながら生きてゆく
わたしの手を離してはいけない
わたしもあなたの手を放さぬから
書き溜めた欠片を二人の手にからめて
もう、放さぬからと
そこがたとえ氷の最下層でも二人なら暖めあえる
眠れないなら子守唄を歌ってあげる
音のない世界なら口付けて伝えよう
いつかあなたにたどり着く
その日が来るまでわたしはここで
誰かの中のあなたの欠片を
道標にして生きているから