巨人の恋
なかがわひろか

強く握り締めると壊れてしまって
口付けを交わそうとすると首の骨を折ってしまって
優しく愛撫しようとすると
皮膚がべりっとめくれてしまって

そんな風になったあなたを
私はきっと愛することはできなくなって
地面に叩きつけて
バラバラに飛び散ったあなたを
汚らしい汚らしいと
思ってしまうでしょう

それでもあなたを愛してしまったら
あなたに恋焦がれてしまったら
私は自分を止められるでしょうか

どうぞ逃げてください
私はきっと追いかけるでしょう
どうか逃げてください
私はきっと追いついてしまうでしょうが

(「巨人の恋」)


自由詩 巨人の恋 Copyright なかがわひろか 2007-04-11 00:49:22
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