コロッケパン
ぽえむ君
恋をしたその帰り道
商店街で見つけたコロッケパン
食べながら歩いて家に着く
どんな味だったのか忘れたけれど
胸がいっぱいだったと思う
デートをしたその帰り道
またコロッケパンを買って
前と同じように歩いて食べた
特に美味しいというわけではなく
コロッケパンの味しかしなかった
恋が終わった帰り道
コロッケパンがなぜか優しく見えた
揚げたてではなかったけれど
どこか温かかった
初めてその店だけの
コロッケパンの味を知った
あれから何度もその店の
コロッケパンを食べたけど
もうあの時の味はしなかった