シェル
umineko
私の中にある哀しみについて
いつか
あなたに届けたい
自慢するだけの
不幸もないので
私はいつも黙ってしまう
やさしいね
人はみな不安だ
東京にいくと
いつだってそれが見える
私はあの街に安堵する
みんな
ひとりぼっちだね、
と
どうしようもないこと
流れていくこと
私は時々
呼吸を意識する
今
吸い込んだのは空気だろうか
それとも
手をとることさえ出来なかった
忘れていく私が好きだ
私はどんどん透明になる
あなたの視野からも
やがて消える
今度
少し甘えても
いいかな
否定されたら
ちょっといやだな
たくさんの
あなたの中の
一部になりたい
手の中の貝がらの
からっぽな痛さ
やさしいね