キミと乳化する
シリ・カゲル

乳化できたらいいのにと思う
だけど所詮僕とキミ、混じり合わない
僕はキミを中身のない女だと認めているし
キミは僕を生理的に受け付けないし

でも僕と、キミと、そのほかに

レジャーシートとお弁当があれば
 一万円札とパチンコ台があれば
  やるべき仕事とぬるいコーヒーがあれば
   練炭と七輪があれば

太陽とシスコムーンがあれば
 対等の武器と共通の敵があれば
  ヴェネトワインとゴルゴンゾーラがあれば
   野外ステージとゴキゲンな音楽があれば

キャメロン・ディアスとジュード・ロウがいれば
 叱咤と激励があれば
  僕より生理的に受け付けない男とキミより中身のない女がいれば
   クイーンサイズのベッドとコンドームがあれば

忍耐と妥協があれば
 TSUTAYAと牛角があれば
  あと少しの水分と塩分があれば
   好ましい風景と美味しいお茶があれば

僕らはナノサイズ・エマルションになれるかもしれないし

とりあえず今度教室で目が合ったら
その力作のまつ毛だけは褒めてしんぜよう。


自由詩 キミと乳化する Copyright シリ・カゲル 2007-04-09 22:36:14
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