百五円の繰り返し
ぽえむ君

世の中には春が訪れたというのに
一人だけ取り残されたかのように
生活に冬が続いている
わずかな陽だまりにその温かさを
見つめるしかない生活
小さな机の上には
灰皿と百五円の使い捨てライター
もうすぐ中の液体がなくなりそうで
またどこかで買わなくてはならない
使い切っては繰り返す百五円は
自分そのものに思えて
捨てきれないままペンスタンドに
放り込む
せめて自分だけはその百五円に
ありがとう
と言っておこう
百五円に火が灯る間は
その火に感謝しよう
この繰り返しはいつまで続くのだろう
わからないけれど
ありがとうを繰り返そう
百五円のライターに火をつけて
ぼんやりとしながら一服するタバコは
春を待つ味がする


自由詩 百五円の繰り返し Copyright ぽえむ君 2007-04-09 22:29:06
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