さみしい子供
松本 涼
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている
最近雨が好きになったのだと
君は言う
明日も雨が降ればいいねと
僕は言う
壊れたテレビを何度でも
付けたり消したり
やっぱり壊れているねと
君が言う
もちろんそうさと
僕が言う
僕らは間違いだらけの子供だから
夕飯も食べずに毛布に包まる
生まれ変わったら何になりたいかと
君が聞く
何かの木になりたいと
僕は答える
生まれ変わったら何になりたいかと
僕が聞く
きっと生まれ変わらないと
君は答える
だけど僕は
君が生まれ変わったら
雨の音になったらいいな
と思うんだ