春
はるこ
久しぶりにどきどきします。
自然と口角があがります。
4つ年上のあのひと。少し恥ずかしがりや。
先輩から可愛がられていて
バカがつくほど真面目らしくて
好みの顔ではなかったんだけど、なんとなく見てしまう。
そんな日々だったんだけど。
今日見たら、端正な顔の右上で寝癖がはねてたの。ぴよりって。
可愛らしく、はねてた。
それを見ただけで、春。
さくらが頭の中で舞い踊ったよ。ふふふ。あんまり気にしないひとなんだね。
それからは、ますます眼が追いかけちゃう。
そっと、そっとあのひとを見るの。気付かれないように。
誰かが隣りにいるかも知れない、でも気になるの。
もしかしたらあのひとが好き、かも知れない。
伏し目がちになるのね、笑い顔は可愛いね。
話しかけたりはできないけど、こころの中でふくらんでる。
そっと、ふくらみはじめてる。
うん、好き、かも知れない。
久しぶりにときめいちゃう。
明日も声聞けるといいな。
明日が来るのが待ち遠しいよ。
早く明日になぁれ、明日になぁれ。
そしたらまた、あのひとに会える。
なんだか可愛らしいあのひとに会える。
早く会いたい。会いたいな。