青き日々のフレンドシップへ
なかがわひろか

僕の頭のおかしい友達が
僕と手をつなぎたいって言い出した
その手は何かべったりした物を触った後のように
ぬめぬめしていて
僕はすごく嫌だったけど

僕は彼と手をつないだ
鼻歌まで一緒に歌った
彼の手は思っていたよりもずっと
ぬめぬめして
気持ち悪かったけど
僕と彼は友達だから
僕と彼は友達だから
我慢したんだ

彼はとても嬉しそうで
僕はとてもいい友達を持ったと言って
とても嬉しそうで
いつまでも僕の手を離さなかった

僕はだんだん
彼のぬめり気が
僕の体の中にまで入り込んで
心臓を溶かされるような気分になって
思わずその手を離してしまった

だけど彼は
僕と手が離れたことに
気づかなかった
彼は頭がおかしいから
彼は頭がおかしいから
気づかなかったんだ

空っぽになった
ぬめぬめした手を
彼はずっとずっと嬉しそうに
振っていたよ

(「青き日々のフレンドシップへ」)


自由詩 青き日々のフレンドシップへ Copyright なかがわひろか 2007-04-09 00:56:41
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