シリ・カゲル

「もういいよ」とジュンは言った
レオは抱えていた鯱をそっと地面に置いた
あまりに重くて持っていられなかったからだ

三日後、レオは晩夏の風が優しく吹き込む部屋のなかで
ジュンから届いた葉書を読んでいた

「ニコラスの店主と駆落ちしました。ジュン」


自由詩Copyright シリ・カゲル 2007-04-08 22:20:33
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