じつは人間じゃありません3
ツ
「夏の夜空を真っ赤に染める、空襲のような花火の轟音に、怯えるフリをして、
二時間目になると学校を早退して、ひとりで戦争に行ったアノ娘の白いうでにしがみつきたい... 」
深夜、テレビをみながら
そんな衝動に駆られつつ、
インターネットしながら
ついでにラジオも聴きながら
ひたすら分裂と増殖を繰り返しながら
それらすべてを無視して
全く関係のない絵空事を考えながら、
キーボードをまるいゆびでポチポチ
叩いてる、 まるで季節感のないボクは、
台所で発生した餅カビです。
(冷蔵庫から抜け出して
(寝静まって誰もいない
(部屋のなかを朝陽が
(差し込むまでウロウロ
情報が錯綜して 脳内は四六時中ゴールデン・アワー状態。
鼓膜に吸い込まれる コトバの激流。
成長し過ぎて、いまにも鉢からこぼれ落ちそうになっている
窓辺のライムポトス。
何もかもに慣れすぎて、何もかもが無化してる、いつもの深夜の台所。
(Hello (Hello! (ボ (クの声は聞こえますか?
(アナタは (い (まどんなユメを見ていますか?
エアープランツの向こうの、窓の向こうにのぞく、夜の闇。
儚くキラメク電子の泡。 風がざわめく音。
駐輪場でイチャつく猫達も良し。