湖西線
はらだまさる







プラットフォームのうえで
学生が夕焼けにさよならしてる
桜色の空の真ん中では
ぐるぐるトンビが廻ってる


ぼくは君がくれた
読みかけの詩集を閉じて
琵琶湖と比叡山のすきまで
ぐるぐる生きている


夏草とオレンヂ色の電車よ
ゆっくりゆっくり
まっすぐ進め
君のままで


おっぱいや
おマンコのことばかり
考えてる訳じゃないんだ
夢のなかで花の写真を撮っている


アフリカの太陽のことを
ぼくは知らないけれど
この星の匂いくらい
知っている


山には馬がいて
海には船があるだろ?
この風が運んでくるものは
君にとって大切なもの


夏草とオレンヂ色の電車よ
まっすぐまっすぐ
まっすぐ進め
君の胸まで


この電車
まっすぐ進め
君のハートまでまっすぐ
まっすぐ


この電車よ
ぼくのハートぶち破って
君のこころまで
まっすぐ進め











自由詩 湖西線 Copyright はらだまさる 2007-04-08 10:22:50
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