心(しん)
海月

人は何故故に権利を持ち出す
人は殺すと罪に成るのに
動物は罪に成らない

絞首刑
足元が消えて
身体が躯に変わり果てる

街中で包丁を持ち歩く
煌びやかに輝き
目の前の人が笑ったから刺した
悲鳴を上げられたから喉を切った
電話を掛けられたから耳を落とした

何故、軽蔑を受ける
何故、冷淡に見る

誰しもが思った事を行動しただけ
何も悪いと思った事はない
世の中を綺麗にする為にした

ああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼

僕は弱い、貧弱、軟弱
情けない、馬鹿、

飼い猫の死に涙を流せない
家族の死に涙を流せない

赤い雨が地面を叩きつける
廃墟と化した
都会に色が付く

悲鳴悲鳴、皆無皆無
解読不能、自我崩壊

引き篭もり、光は邪魔だ
希望は傷付けるだけだ
絶望は至福を齎す
諦めの中に楽園を見出す
抵抗は無残に傷跡を残す

安らぎの場所を求めて
誰かの傍にいたい

君と僕の違い
平均体温
思考回路
現実逃避


無言の受話器
君の吐息、息を繋ぐ
電車が走り去る

狂気狂気
狂気狂気
凶器

十三階段
手足の自由はない
自分の意思じゃない

性に理性を求めない
我が思うが侭に

壁に貼られた
半世紀前のアーティスト
色褪せた皮膚
その瞳は何を見る?
君も僕を見下す

決別、生死、表裏
必然、偶然、
奇跡 は 無い

理解不能
僕の心


自由詩 心(しん) Copyright 海月 2007-04-08 02:00:50
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