kiri
水町綜助

晴れきっている

閃光が停止してる

この路上から垂直に

そのぶちまけられている幾多の天井の上に

切り欠けている

せいかつ

の片側たち

半身の動物園

豆の木ばかりの植物園

伸びてるの

食い散らして

切り紙細工の陰影に割られて

あなたはのどを鳴らす

ぐるると

ぐるると

ぐるると

そんなぼくらばかり


悲鳴と嗚咽と閃光とを

その速度だけで

束ねる

おなじだ と

では
干上がった
男は
どうすればいい

何を飲ませてくれと

言えばいい

木々のさなかの池を目の前にして

この夏のさなかで

割れて粉塵を舞わせるような石灰の町に

投げられた太陽の

その閃光に区切られたままで


間抜け顔がむつかり

そうして降り出した

天気雨が

焼け切った路上を叩き

降り注ぐ端から

乾ききっていくが

ふりつづけるから
ふりつづけるから

白い煙をたてながら浸りきる


あとには

つちのかおりが匂い立ってゆく

匂い立ってゆくだけ

それを口を開けて嗅ぐだけ

おれは



















自由詩 kiri Copyright 水町綜助 2007-04-07 10:54:23
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