kiri
水町綜助
晴れきっている
閃光が停止してる
この路上から垂直に
そのぶちまけられている幾多の天井の上に
切り欠けている
せいかつ
の片側たち
半身の動物園
豆の木ばかりの植物園
伸びてるの
食い散らして
切り紙細工の陰影に割られて
あなたはのどを鳴らす
ぐるると
ぐるると
ぐるると
そんなぼくらばかり
悲鳴と嗚咽と閃光とを
その速度だけで
束ねる
おなじだ と
では
干上がった
男は
どうすればいい
何を飲ませてくれと
言えばいい
木々のさなかの池を目の前にして
この夏のさなかで
割れて粉塵を舞わせるような石灰の町に
投げられた太陽の
その閃光に区切られたままで
間抜け顔がむつかり
そうして降り出した
天気雨が
焼け切った路上を叩き
降り注ぐ端から
乾ききっていくが
ふりつづけるから
ふりつづけるから
白い煙をたてながら浸りきる
あとには
つちのかおりが匂い立ってゆく
匂い立ってゆくだけ
それを口を開けて嗅ぐだけ
おれは