空と東京都庁と性欲処理場とベーコン
はじめ

 遠くから早朝の街のざわめきが聞こえてくる 僕は早朝の東京が好きだ
 光化学スモッグと酸性雨の詰まった雲とその他諸々の物質 化学物質の無限構造になっている東京の覆われた空 特に排気ガスで空気が汚れていても朝の空気はとてもおいしい 心が洗われるようだ
 空気が地球の体温と遙か遠くの物音(大量の車のエンジンの音とアスファルトとの摩擦音)僕に伝える 東京にはたくさんトイレがあると思った 急いで駆け出して 昨日ホテルで食べたバイキングの料理を消化不良した排泄物を出そうと思った
 さっぱりして両手を拭くと東京の陽は眩しくて暖かくて肌に落ちて 自動車の起こす音と光合成を行っている葉緑体で一杯の緑色のビルの吐く息と何とも言えない湿気全てそれらが巨大なミキサーで掻き回されぐちゃぐちゃになったものが僕を包み込んでくれるようだった 
 僕は東京の街全部を歩いたことは無いからこのぐらいしかよく分からない でも少なくともこの街一帯がそういう状態に侵されていることは確かだ
 僕は中学受験の為にこの街にやって来たのだ しかも一人で 偉いだろう 航空券のつるつるした手触りを思い出した それは切られ僕は飛行機に乗った そこまでフラッシュバ


自由詩 空と東京都庁と性欲処理場とベーコン Copyright はじめ 2007-04-07 05:24:39
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