嗤うミハエル
シリ・カゲル
ギリギリでいつも生きていたいから
ミハエルは40にもなって婚姻契約を結んだ
それは男のケジメなんだそうだ
お相手は、上から88、56、87、69のナイスバディの持ち主
「やったな、ミハエル」
「ありがとう、リヒャルト」
俺たちは20年来の親友だ
「それにしてもいい女だ。いったいどんな手を使ったんだ?」
「ふふっ」
「まさかヤバイ薬とか使ってねぇだろうな?」
「大丈夫、いまのところ合法だ」
そう言ってミハエルが見せてくれたのは
AAH-HUN、これが悪名高いAXE EFFECTか
そもそも子役出身のはずのミハエルが
40まで色恋沙汰がなかったのは
政府系金融機関の裏稼業があったからだった
当時ミハエルが抱えていた主な顧客には
BANANA REPUBLICからやって来た
MOGITATE! バナナ大使の一家がいた
しかし、大使は昨年末に地元の芭蕉庵で
軽い血栓をこじらせて死んじまった
「もう脂汗を食うな!」
かき氷の恋しい夏、俺が何度もそう忠告してやったのに、ざまぁねぇや
ミハエルはあれからアムウェイ鍋の利点について説明を続けている
このままいくと、最終的には羽布団まで買わされそうだ
俺はたまたまトピックストアで買ったアイスピックを
ミハエルの心臓に突き立てられるだけ突き立てる
AAH-HUN、世の恋人たちよ!
もうこれ以上美しいフレーズを羅列して
最後に : pricelessって言うの禁止。