空色
なかがわひろか

嗚呼、空だ
空だけが、ある
この視界を埋めるのは
ただ唯一の空だ

嗚呼、なんて重い
この一つの体で支えるには
なんて重い
体中が大地に縛り付けられて
気づかぬうちに犯されそうだ

朱色が青と混じり合う
そのひどい色の組み合わせを
最後には結局取り消すように
真っ黒に

嗚呼、空だ

(「空色」)


自由詩 空色 Copyright なかがわひろか 2007-04-06 00:05:03
notebook Home