スジャータ・マリア
はじめ

 まだ興きたばっかりの国同士が争っていた頃
 僕はある国の一下級兵士の息子としてこの世界に生を受けた
 子供の頃から疎開が絶えず 友達も将来は兵士になって国の為に尽くすと教育されていた
 僕は戦争なんて大嫌いだったし 平和を祈る為に隠れて太陽に向かって毎日他民族の宗教の教えを読んでお祈りしたりしていた
 10歳になる頃 父が他国へ戦争へ赴くことになった これ程悲しい日はなかった 僕と母は出兵する父に抱きつき 別れた 結果父とはそれが永遠の別れになるとは分からなかった
 父の遺体が僕達の小さな村に帰って来た時は村中の人々が泣いてくれた 僕が喪主になって縦穴の洞窟に遺体を入れた 戦争はますます激化していくばかりだった
 15歳になったある日 僕も軍隊に入ることになった 幼馴染みの友達も全員入隊した 対戦国は隣国だった 僕達は家族に別れを告げて 敵国に出兵した
 相手国は最新兵器を使ってきて僕達は苦戦した 僕の友達達はみんな異国の地で戦死した 陣地を囲まれた時 全員突撃の命令が下された 僕は全身がボロボロになりながらも武器を持って敵陣に飛び込んだ しかし 足場を踏み外してしまい 僕は大河へ落ちた
 気が付くと僕は菩提樹の下に眠り込んでいた 瀕死状態の僕を君が看病してくれていたのだ 僕は何も言い出せずに眠っていると 君は山羊のミルク粥を持ってきてくれて僕に食べさせてくれた すると不思議なことに体はみるみるうちに回復して 起き上がれるようになった
 僕は戦場に戻ることをせずに君と一緒に生活するようになった やがて一人の子供をもうけ 突如現れた神様からその子供は世界を救う神の子であると告げられ 子供は戦争を止めさせ平和を呼び戻す為に各地で神から授かった教えを布教していき人々の心を掴み 愛をもって戦争を止めさせる為に人々は立ち上がり ついには国同士の争いをも終わらせた 子供は新しい国の王となり 戦争で死んだ者達を奇跡で生き返らせ 僕達は王国に招かれて村から呼び寄せた人々と共に幸せにいつまでも暮らした


自由詩 スジャータ・マリア Copyright はじめ 2007-04-05 06:10:13
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