落伍と誕生と展望と
ヨルノテガム
眺めるのは
不安、この先の先の方の、
それ、キリンの首の長さで、それ、
真っ直ぐの横顔で、
それ、お前も好きだろ、それ、
オレ、男だけど身ごもっちまった
それ、渦巻きの中の
規則正しい尻のあいだから
神様のよそよそしさで
これ、手の中に、
手の平があった、これ、
水平線の匂いを嗅いだそれ
あくなき巨大化する赤ん坊、お前の足は
スラリとして美しくなる、オレ、
涙さ、たまにはの、それ、これ、うつむきながら、
お前を見てる、どれ?
風? 知らない、振り出しへの双六を信じるんだ、
それ、オレみたい、どれ?
展望先への眼差しさ、
顔の無い線影が未来を見てる、卵を抱いてる、これ、
足が太く生えて、デカイ尻々で
歩くあそびだ、
海が遠い、
あしたは化け物になってもいい、どれ?
素朴である、これ。