回帰
ポッケ

ベッドのへりからあおむけで見つめる
まるい蛍光灯
目を閉じて追いかける残像は
欠けたのか
届かないのか
つながらない輪の形をして

黒の中に赤く燃えて
中も外も見えないほど燃えて
それでも炎は緑になり
燃えひろがる緑になり

やがて境界線も見えなくなって
あるものもないものも
なにも見えなくなって
目を開ける

白い柵を羊が何頭も
何頭も
あちら側へとんでゆく
柵。
あるせいで
ないせいで
ゆけない
見つめるから
見つめすぎるから

形も色も
なにも見えなくなるまで目を閉じて
なにも見えない
暗闇の
幼い疾走に触れる







自由詩 回帰 Copyright ポッケ 2007-04-05 00:35:34
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