もうひとつの空
乱太郎

空は悩んでいた
そのときそのときで
表情がころころ変わり

僕は
知らなかったわけではない
それでも
ただ眺めることしか
できることがなくて

空は泣いていた
大地に抱かれたくても
そこには
降りるわけにはいかない

僕がひそかに
空の頬を
撫でたいと思っていたのを 
空は気づいていないみたいだ


呟くだけでは
届かない
紙飛行機を飛ばしても
届かない
白い風船を放しても
届かない



いつかの日のように 
眩い陽射しを降り注ぐ
あの空に

翼があれば


未詩・独白 もうひとつの空 Copyright 乱太郎 2007-04-04 18:49:22
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