おひたし慕情
るるりら

  
はるは ひたひた湧いてくる
はるかかなたの 地殻の置くから

ひたひたひた

毛細血管を駆け上り
地上にある草木という草木のすみずみまで

ひたひたひた






田んぼのはずれで菜の花が咲いたよ
人が「おひたしにでもしようか」とかつぶやいて
刈り取られて放置された菜の花が 咲いたよ
人のすることは哀れだね
根っこを刈り取られているというのに
まるで気にせず 
花を太陽の方に向きなおして
咲いているよ

すみずみまで すみわたる 
嗚呼、
いのちの大海原
菜の花の ほとばしり


自由詩 おひたし慕情 Copyright るるりら 2007-04-04 11:28:15
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