午前2時のクリスマス・イヴ
はじめ

 午前2時を過ぎた
 今日はクリスマス・イヴではないのに
 クリスマス・イヴの雰囲気がする
 僕はパソコンの前でキーボードを打っている
 少し横に向くとムードに飲み込まれそうになる
 僕のいるこの空間は完全にそうなっている
 僕は心の中で笑う
 そして心の中で街並みを空想する
 雪がぽとぽとと降り 人々がショーウィンドウを行き交う
 僕はサンタクロースに逢えることを夢見ている
 マンホールの蓋が何故か暖かい
 僕はその光景をずっと眺めている
 そしてクリスマス・ソングを胸の中でそっとかける
 空を見上げ 雲が無いのに雪が降っている不思議さを直感で感じる
 僕は街中で一人になる
 雪片が一つ頬に当たる
 僕は神様を抱き締めたくなる
 それは空を抱き締めるのと同じことだ
 僕は後ろを振り向いて冷たい暗い空間に立ったまま入っていく
 その先には何があるか分からない
 僕の気管は冷たくすっとなって気分が良くなる
 眠りが僕を誘ってくる
 クリスマス・イヴの雰囲気が頭の中へ戻って天へ帰って行く
 僕は詩を完成させることにだけ集中する
 時刻は僕の中で溶けていって感覚が無くなっていった
 ほんの一時の とても素敵な午前2時のクリスマス・イヴ


自由詩 午前2時のクリスマス・イヴ Copyright はじめ 2007-04-04 06:08:49
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