午前2時のクリスマス・イヴ
はじめ
午前2時を過ぎた
今日はクリスマス・イヴではないのに
クリスマス・イヴの雰囲気がする
僕はパソコンの前でキーボードを打っている
少し横に向くとムードに飲み込まれそうになる
僕のいるこの空間は完全にそうなっている
僕は心の中で笑う
そして心の中で街並みを空想する
雪がぽとぽとと降り 人々がショーウィンドウを行き交う
僕はサンタクロースに逢えることを夢見ている
マンホールの蓋が何故か暖かい
僕はその光景をずっと眺めている
そしてクリスマス・ソングを胸の中でそっとかける
空を見上げ 雲が無いのに雪が降っている不思議さを直感で感じる
僕は街中で一人になる
雪片が一つ頬に当たる
僕は神様を抱き締めたくなる
それは空を抱き締めるのと同じことだ
僕は後ろを振り向いて冷たい暗い空間に立ったまま入っていく
その先には何があるか分からない
僕の気管は冷たくすっとなって気分が良くなる
眠りが僕を誘ってくる
クリスマス・イヴの雰囲気が頭の中へ戻って天へ帰って行く
僕は詩を完成させることにだけ集中する
時刻は僕の中で溶けていって感覚が無くなっていった
ほんの一時の とても素敵な午前2時のクリスマス・イヴ