ふらっと
夕凪ここあ
昨日の夜は部屋も静かな寝息をたてて
星だってずっと遠くに見えるか見えないかくらいだったみたい
眠る前のめまい
足の先から順々に音を失くしてく
無色に染まる
たいせつ
カーテンのうすみどり
シャツの不恰好なしわ
ゆるい日差し
君の手のひら
インスタントコーヒーの温度
親指の深爪
日記帳
あした見るはずの夕暮れ
も
どうでもいいよ
そんなことないよ
の夢
旅行に行くみたいな気持ちで、さ
帰り道には気をつけなよ
忘れ物なんて言葉もう忘れちゃった。
出かける前に確認したはずなのに
少し伸びた襟足がくすぐったいとか
ガラス越しに何もかもが半音ずつ綺麗にずれていたりとか