冷めた炎
ぽえむ君

炎は燃えてはいるものの
心底では完全に冷めていた
自分にとっての熱とは何なのか
光とはどういうものなのか
疑問とともに不安が吹き上げ
自分を見失ってしまったのだ
炎はゆらめいている自分の姿を見て
常に変わり続ける自分に
固定した形を求めるようになった
足が冷たくなってゆく
手が十分に伸ばせなくなってゆく
それでも炎は
今の炎はそれでもよいと思った
心の冷えた炎は楕円の形の自分を
美しいと感じるようになってきた
自分というものに少しだけ
期待できるものを見出せるようになった
炎は体が小さくなっていきながらも
頭の中はどんどん熱くなっていった


自由詩 冷めた炎 Copyright ぽえむ君 2007-04-02 22:38:16
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