さよならというやまい
umineko

さよならというやまいを
君と生きよう
ふたりが
気付かない夕暮れを

公園の遊具は
動物の姿で
昨日もそこにあり
明日も

なんてゆるやかなさくらの空

さよならというやまいを
君と生きよう
小さな
ことばのタブレット

笑いあう
明日は雨かな
さくらは
そろそろ終わりかな

繰り返す
波のように
季節が打ち寄せて

ずっとずっとやさしいままで
いられるなんて
そんなこと

いつか
ことばもまばらになって
さよならが
微熱のように

笑いあう
指が触れる
駈けていくはずの
子供もいない

さよならというやまいを
君と生きよう
 
 
 



自由詩 さよならというやまい Copyright umineko 2007-04-02 07:09:24
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