さよならというやまい
umineko
さよならというやまいを
君と生きよう
ふたりが
気付かない夕暮れを
公園の遊具は
動物の姿で
昨日もそこにあり
明日も
なんてゆるやかなさくらの空
さよならというやまいを
君と生きよう
小さな
ことばのタブレット
笑いあう
明日は雨かな
さくらは
そろそろ終わりかな
繰り返す
波のように
季節が打ち寄せて
ずっとずっとやさしいままで
いられるなんて
そんなこと
いつか
ことばもまばらになって
さよならが
微熱のように
笑いあう
指が触れる
駈けていくはずの
子供もいない
さよならというやまいを
君と生きよう