夢で逢いましょう
はじめ
君に逢うために生まれてきた 夢の中では隣にいるのに 目を覚ますと君はいない
僕は必死になって夢を見ようとする しかしなかなか夢を見れない
僕は失望する そして君のいない空洞を抱き締める 止め処目のない涙が幾筋も流れる
現実の僕はいたって虚ろだ 生きている価値を自分で見出せないでいる
趣味を何一つ持たず ただ生きる為に 夢を見るために 仕事をしている
もう君の夢を見るために なんてこと言えない年齢なのに
僕は一応 精神科に通って 心のバランスを保っている 君のことも医者に話した
しかし医者は 君はもうこの世にはいないんだから忘れなさいと明言した
心が未熟で幼い僕はそんなことできるわけがなかった
いつも心細くなった時には君がいてくれた
悲しくなった時には君との思い出を思い出した
しかし集中力が切れたり 気が付くと君はもういなかった
僕は布団にくるまり今日も夢を見ようと努力する
だが飲まなければいけない夢防止剤に妨げられて夢を見ることができない
僕からだんだん君の手が離されていくような気がする
白昼夢のような状態が続きやすくなった僕は 最近 ここが現実なのか夢なのか分からなくなった
僕は薬を飲む振りをしてしゃかりきになって夢を見ようとする 君が夢の中に現れる
君は神様なんじゃないかと思う
どうしていつまでも僕と逢ってくれるのかは分からないが
君が隣にいるとほっとする
君の笑顔をいつまでも見ていられるから
しかしそれは一瞬のことで すぐに僕は現実に引き戻される
今日もまた夢を見る為の一日が始まる
君を想いながら 人々の群れの中で生きている
決して忘れてはいけない思い出を大切にする為に