まなざし
木葉 揺
少し遠くに執着が見える
何もないアスファルトへの
紐を引っ張られ、首輪で引き戻す
あの好奇心 あの自己主張
かつて共に過ごした老犬の気配に
身をゆだねてみる
成し遂げた人たちの無関心に
憤ってばかりいたのだ
(気の済むまで匂いかいでな)
何かを掘り起こそうと
地面を引っかき続けていた犬が
ふと新たな刺激に触れた
自由詩
まなざし
Copyright
木葉 揺
2007-04-01 04:06:01