なかがわひろか

それは奇跡の季節
花や草が一斉に芽吹く
あちらこちらで聞こえる音は
寝起きの悪い生き物の声

毎年やってくるただの循環の季節なのに
何かが始まりそうな気がするよ
君を見つめる僕の瞳も
生まれ変わったようだ

春が来て
春が来て
それは冬と夏のほんの隙間だけど
春は来る
春は来る
またきっとぼんやりしてるうちに
去ってしまうのだろうけど

桜はいつの間にか満開で
そして雪の幻影を思い出させるように
風に流されるままに
散り落ちて行くんだろう

春は過ぎ
春は過ぎ
始まりは終わりを迎える
春を待つ
春を待つ
またきっとぼんやりしてるうちに
やって来る

(「春」)


自由詩Copyright なかがわひろか 2007-03-31 02:36:41
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