僕と悪魔
はじめ
僕は二人いる
一人は僕
もう一人は悪魔だ
悪魔はいっつも僕の邪魔をする
顔まで一緒だ ただ心は凶悪だ
悪魔は両方の耳元で好きな女性の声で囁いて誘惑してくる
当然のように僕はそれを振り払う
しかしそんなことでは悪魔は諦めない
一度心を許すと悪魔に体が侵され彼の欲望のまま行動し 好きな女性に被害を与えかねない
悪魔はいつも僕の体を取り巻いている
そして僕の言動 行動全てに目を光らせている
悪魔の束縛には耐えられない
僕はたまに気が狂って精神病院に入院することがある
その精神病院でも悪魔は取り巻き 実際には目で見られないもの 聞こえるはずのないものなどを引き起こさせ 僕は現実と絶望の狭間に飲み込まれそうになる
どんな治療法を試してみても 僕から悪魔は消えることは無い
僕が死ねば悪魔は消え 悪魔が死ぬ時僕も死ぬのだ
この理不尽な相互関係は切っても切れない関係にあるので 僕は半ば諦めた気分で悪魔と戦っている
最近は悪魔を許してやろうという考え方になってきた
これが神の与えた試練なら 褒美は要らぬ 十字架を背負って生きていこうではないか いつか死ぬ日までヴィア・ドロローサを悪魔と共に歩いていこうではないか
そこにしゃれこうべの丘があるのなら
そしてそこに救いの神様がいるのなら
僕は心を平安にしてこの先も歩いていける