季節にとかして
たりぽん(大理 奔)

ときめかせて
はなびらを解き放ち
冬別れの樹、予感
北風までもが人肌の温度
その飛ばす先の青空
気まぐれな季節は
いつも、ふいに帰ってくる

季節のない海の深みに
還っていくその前に
予感、の合鍵で開くむねのとびら
奥で内燃する
すべての色を隠す虹

    とかしたいものがあるのです
    とかしたいものがあるのです

家々の間の路地から
騙し絵のように移ろうあなた
電信柱に区切られながら
流れていくだけの
風景だから
いつでもわたしは
出会える


春は夏にとかされたいでしょうか
はなびらを沖に流した波も
黄砂に押し戻されて
気まぐれな季節は、いつも




自由詩 季節にとかして Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-03-30 00:45:26
notebook Home 戻る