人形
霜月 ゆうゆう

「アイシテル」
ボクは君に囁く

君はただの人形なのに・・・

ボクと君
いつも一緒だった

これからも
ずっと一緒だと思っていた・・・

時を重ねる度
君は汚れていった・・・

洗っても
落ちることの無いその汚れは

ボクの気持ちがつけたモノ

そんなことも知らないまま
ボクは深い眠りに付いた・・・

眼を開くと
そこに君は居ない・・・

動くことの無い
ボクの体はニンギョウのようだった・・・

そう、ニンギョウはボクの方だった

埃で汚れ、汚くなったボクは
彼女に捨てられたんだ

薄れていく意識の中で
ボクは呟いた

「素敵な夢をありがとう」

流れない涙と共に
ボクの心は消えていった・・・


自由詩 人形 Copyright 霜月 ゆうゆう 2007-03-29 04:19:58
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